厚生労働省の先進医療専門家会議は7日、角膜ジストロフィーの遺伝子解析と強度変調放射線治療を、先進医療として認めることを承認した。
角膜ジストロフィは遺伝性の疾患で、両眼性・進行性に限局性の角膜混濁をきたす非炎症性の疾患。これまでに、多くの角膜ジストロフィーについて、その責任遺伝子と遺伝子変異が同定され、それぞれの遺伝子変異によって特徴的な臨床所見が見られることが分かっている。以前から細隙灯顕微鏡検査などによる臨床診断が行われているが、正確な病型診断が困難な症例が多かった。
角膜ジストロフィの遺伝子解析技術は、従来の診断法では病型を確定できなかった症例が対象。大部分を占める遺伝子点変異を、直接、塩基配列で決定する。費用は約1万8000円と見込まれる。
同技術は検査科からの申請だったが、専門科の関与が必須とされ、専門診療科からの届け出を求めることとし、承認された。
強度変調放射線治療(IMTR)は、正常組織が受ける放射線量を抑制し、腫瘍組織に対する線量増加を安全に行う技術。固形悪性腫瘍に対する根治的放射線治療で、空間線量分布を大幅に改善することによって、治療成績向上をめざすことができる。既に2008年度の診療報酬改定で、IMRTは原発性の頭頸部腫瘍、前立腺腫瘍、中枢神経腫瘍に限定して保険収載されている。今回はそれらを除く、限局性固形悪性腫瘍を対象とする。費用は約78万8000円が見込まれる。