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家庭でもパンデミック対策を

2008年12月5日 (金)

 インフルエンザは、年末に流行し始め正月に増加、1月下旬から2月にかけてピークを迎える。流行の原因となるインフルエンザウイルスは、A型(現在はH1N1、H3N2)とB型だが、流行の傾向は毎年異なる。

 東南アジアを中心に鳥からヒトへ感染し、新型の鳥インフルエンザとして急速な世界的流行(パンデミック)が懸念されているH5N1型は、高病原性が特徴だ。

 新型インフルエンザは10年から40年の周期で発生している。被害規模の大小はあっても過去の周期は、「鳥由来型の新型インフルエンザの発生を避けては通れない」ことを物語っている。

 H5N1型が世界的に警戒されているのは、ヒトに感染した場合の致死率が高く、近い将来、ヒトへの強い感染力を獲得してパンデミックを起こし得る新型ウイルスに変性する可能性があるからだ。

 厚生労働省は、わが国でH5N1型の感染が拡大すれば、全人口1億2700万人の4分の1に当たる3200万人が感染し、64万人の死者が出ると推計している。

 H5N1型のパンデミック対策は、WHOを中心に世界中が取り組んでいる。その柱の一つとして、04年に感染患者から分離されたベトナム株(H5N1)と34年に採取されたプエルトリコ株(H1N1)を,遺伝子操作でハイブリッドしたプレパンデミックワクチンが開発された。

 わが国では、プレパンデミックワクチンの備蓄目標を3000万人分としており、ベトナム株以外に05年に採取されたインドネシア株、06年に採取された安徽省(中国)株、青海(中国)株、ガチョウ由来株などが備蓄用として製造されている。ベトナム株、インドネシア株のプレパンデミックワクチンについては、現在、安全性確認を主目的に,6000人の成人を対象とした大規模臨床試験が行われている。

 もう一つの対策の柱となる抗インフルエンザ薬は、タミフルが政府、都道府県、流通備蓄で合計3000万人分、リレンザが政府で数十万人分備蓄されている。

 パンデミックがいったん発生すれば、過去の経験から非常事態は約2カ月間の長期になると予測されている。そのため、「家庭レベルで最低2週間以上の食料・日用品、医薬品の準備が必要になる」という専門家の指摘は,無視できないものがある。

 医療機関にかかれなくなるケースがあることも、想定しておかなければいけない。そうした状況に対応するため、個人の備蓄医薬品・医療品としては、解熱剤、下痢止め薬、除菌・消臭剤、フェイスマスク、うがい薬、ハンドソープなどが考えられる。

 インフルエンザウイルスに起因する発熱などの様々な症状に対し,どのような一般用医薬品が適しているかなどの情報提供は、薬局薬剤師にとって、まさに腕の見せどころだ。

 薬剤師が積極的に新型インフルエンザに対する詳しい内容や新しい知識を取得し、家庭でのパンデミック対策の一助となることを期待したい。




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