小野薬品は21日、非小細胞肺癌、胃癌、膵癌、大腸癌における癌悪液質を適応症としてグレリン様作用薬「エドルミズ錠」(一般名:アナモレリン)を国内で発売した。癌悪液質を適応症とした治療薬は国内初。2031年頃にピーク時売上高38億円を見込む。
同剤は、体重や筋肉量、食欲、代謝を調節する複数経路の刺激に関わるグレリン受容体に作用。癌悪液質の患者の体重や筋肉量、食欲を増加する効果が示されている。
癌悪液質は、患者のQOLや予後などに顕著に影響することが分かってきているが、これまでに国内で承認された治療薬はなかった。韓国でホルモン系薬剤が承認されているほかは、世界的に見ても治療薬は少ないという。
小野は06年に米サファイア(現ヘルシンヘルスケアSA傘下)とライセンス契約を締結し、同剤の日本や韓国、台湾における独占的な開発と商業化の権利を取得している。今後の日本での適応拡大や海外での開発スケジュールについては未定としている。