◆以前、統計学を教える薬学部の教授から「社会のモード(最頻値)を映したのがテレビ」と聞いた。先進的過ぎても、後進的過ぎても視聴者はついてこない。放送内容は社会の大多数の人の意見や考えに引きずられる
◆教授の意見を支持する事例を先日、取材先の作家から聞いた。「以前、高齢者の安楽死をテーマに書いた小説のテレビドラマ化が検討されたが、当時は先進的で受け入れられなかった」という。生命倫理的にデリケートな問題となるため、ディレクターによる提案は却下され続けた
◆その後、高齢化が進み、終活という言葉が登場するなど社会通念が変化。小説は数年前に無事ドラマ化され、放映された。小説の出版から約10年が経っていた
◆人の生死に向き合う機会が多い医療従事者に比べて、一般の人にとって生死は非日常的な出来事だ。その差が両者の認識にギャップを生み出しているように思う。臨床現場で感じた思いを積極的に社会に伝え、還元する。そんな役割も医療従事者の仕事の一つではないか。
医療従事者にしかできない役割
2021年05月24日 (月)
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