帝人ファーマは19日、スペインの大手製薬企業「エステベ」と呼吸器系在宅医療事業の合弁会社「エステベ・テイジン・ヘルスケア」(ETH)を設立すると発表した。新会社は2009年1月末頃に正式発足する予定で、在宅医療事業のグローバル展開を進める帝人ファーマは、韓国、米国に続き、世界第二位の市場である欧州市場にも本格参入する。
帝人ファーマは、1月に米国の在宅医療機器代理店「アソシエイテッド・ヘルスケア・システムズ」(AHS)を買収し、米国の在宅医療事業に本格参入を果たした。以来、5月に米大手プロバイダーのブレイデン・パートナーズ、10月には米呼吸器系在宅医療プロバイダー「ホーム・セラピー・イクイップメント」(HTE)を買収するなど、在宅医療事業のグローバル展開を急いできた。
今回の欧州での合弁会社設立は、在宅医療事業のグローバル展開を進める帝人ファーマと、事業拡大戦略の一環として在宅医療市場に高い関心を持っていたエステベの思惑が一致したもの。エステベは、活性型ビタミンD3角化症治療剤「ボンアルファ」のスペインにおけるライセンシーでもあり、長年にわたって良好な関係を構築してきたことが欧州市場への進出に大きく作用した。
ETHは、帝人ファーマとエステベが折半出資で設立し、発足と同時にエステベが保有する在宅医療機器プロバイダー「オキシメプラス」の発行済み株式の51%を全て取得する。これにより、ETHとオキシメプラスは、帝人の持分法適用会社となる。
今後、ETHは、スペイン市場における事業拡大と並行して、周辺の欧州主要国への事業拡大戦略を検討し、スペイン以外への事業展開を図っていく方針だ。また帝人ファーマは、ETHによって欧州での在宅医療事業の基盤を確立すると共に、アジア市場の事業拡大も狙う。