自動化進め対人業務充実‐薬剤師の職能発揮サポート
非常に洗練された外観が印象的な「てらわき薬局 城西」は、鹿児島県内最大の駅である鹿児島中央駅近くにある。店内に目を移せば、各種の最新鋭自動化装置に目を奪われるが、これら最新機器の導入やロボット化は業務効率化ではなく、安心・安全・確実でトレース可能な調剤のための手段であり、薬剤師の活躍をサポートするのが目的で、同薬局社長の寺脇大氏の“自動化は対人業務強化の大前提”という考えによるものだ。患者のために対人業務を充実させ、安心・安全・確実な調剤を目指している同薬局の業務に、PHCの薬局情報共有システム「DrugstarPrime(ドラッグスタープライム)2」、クラウド薬歴「DrugstarLead(ドラッグスターリード)」、電子お薬手帳「ヘルスケア手帳」などが貢献している。
待ち時間削減に取り組む
同薬局は今年3月22日に開設された。現在のスタッフ構成は、常勤薬剤師が3人、非常勤薬剤師が4人、調剤補助が2人、事務が3人という状況。すぐ近くにある小児科から応需する処方箋がメインで、1日の処方箋応需枚数は50枚ほど。
小児科の門前薬局であり、子供を連れた母親の来局が多いという点が、印象的な外観や店内の雰囲気へつながっている。「子供というよりは、お母さん方が寛げるスペースということを意識した」(寺脇氏)というが、利便性だけでなく、快適性や居心地の良さなどを重視した造りになっている。
自動入庫払出装置や自動分注装置など、最先端の設備で調剤を自動化していることも同薬局の大きな特徴だ。最新設備を整える背景には、県内に薬学部がない鹿児島県の薬剤師不足等に対応し、機械でのサポートが欠かせないという寺脇氏の考えがある。「薬剤師が多くいる状況であれば、調剤を担当する薬剤師、服薬指導を担当する薬剤師という形にできるが、なかなかそうした状況は作りにくいという面があった。そこで、厚生労働省が2019年4月2日に発出した通知(0402通知)を最大限活用し、調剤業務を出来る限り非薬剤師にシフトしている」と説明。「非薬剤師でもきちんと取り揃え等ができるように自動化する必要があった」と語る。
調剤業務の自動化によって、同薬局の薬剤師はより対人業務へ注力できるようになった。そうした中でPHCの「DrugstarPrime2」や「DrugstarLead」が同薬局薬剤師の対人業務を強力にサポート。寺脇氏も、「これまでは薬歴を書くために端末のそばを離れられなかったが、Leadではウェブブラウザでいつでも、どこでも薬歴を書くことができる」「先確認ができる点でも、作業の出戻りを最小限にできている」「Prime2の薬剤師サポート機能は、視覚的に変更点や禁忌情報等が分かりやすく、安心・安全な医薬品提供に貢献している」など、その優れた機能を高く評価している。
また、患者の目線に立ち、患者に寄り添える薬局を目指している同薬局では、薬局における待ち時間減少の実現にも積極的に取り組んでいる。それに貢献しているのが、PHCの「ヘルスケア手帳」だ。服薬情報の管理に加え、処方箋の事前送付機能を備えており、来局時の待ち時間を削減でき、新型コロナウイルスの感染リスクを低減することも可能。患者とのコミュニケーションをより円滑にするための“フォローアップ・メッセージ機能”も搭載している。寺脇氏も、「待ち時間対策等に非常に役立っている」と話す。
自動化により薬剤師が対人業務に向き合える環境を整え、PHCのシステムによるサポートを得つつ対人業務を充実させている同薬局だが、寺脇氏は「自動化して初めて気付いたことがある」と指摘。それは、「自動化することで薬剤師の職能にもの凄くフォーカスできる」点だという。「自動化することで薬剤師が処方箋と向き合えるようになり、そこで薬剤師の職能や知識もフォーカスされる。薬剤師の知的好奇心や患者さんに向き合う姿勢がそのまま出てきて、それらが対人業務に表れるようになっている」とする。
こうした点を踏まえ、「てらわき薬局 城西」では今後も自動化・機械化を進めつつ、より薬剤師にフォーカスし、より薬剤師が活躍できる場であり続ける。同時に、患者目線に立ち、患者に寄り添った薬局の実現を目指していく。
てらわき薬局 城西(PHC)
https://www.phchd.com/jp/medicom