ドラッグストアと調剤併設店のメリット生かし、多様な患者ニーズに対応
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関東を中心にドラッグストアや調剤薬局を展開するセイジョーでは、地域密着をキーワードに現在212店舗を展開している。今年4月に処方せん調剤もスタートした茶沢通り店は、ドラッグストアと調剤併設型として、地域住民のニーズにあった様々なサービスを提供している。薬局長の平賀裕子氏は「調剤を行うのと同時に、多様なOTCや医療材料の中から患者さんのニーズにあった商品を紹介できる」と併設型のメリットを説明する。平賀氏に、患者サービスの質向上や業務の効率化に向けて、工夫している点などを伺った。
【発注から棚卸まで一台の端末でサポート】
同店は常勤薬剤師2人、処方せん枚数は1日約50枚、30040の医療機関から幅広く面で受けている。備蓄品目は約1500品目で、月曜日から土曜日の午前10時から午後8時まで受け付けている。また,今年4月の処方せん調剤スタート時から、東邦薬品の医薬品発注・情報端末機ENIF(エニフ)を取り入れて、医薬品や事務用品の発注、情報提供などに活用している。
ENIFの持つ機能は大きく[1]発注業務[2]情報提供および業務支援[3]棚卸機能――の3本柱に分けられる。
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発注業務では、医療用医薬品に限らずOTCやトナーカートリッジ、事務用品も取り扱い、分割販売も実施している。発注は自動発注で、24時間365日いつでも行うことができる。分割販売は先発品約2700品目、後発品約700品目、医療材料約65品目を取り扱っている。双方向通信を行う独自システムで、端末からバーコードを読み取って発注すると、102分後には納品予定日がFAXされるのが便利だという。平賀氏は「在庫にない場合でも、いつ薬を用意できるかを患者さんにしっかり伝えられるので、信頼を得ることができる」と話す。
一方で情報提供・業務支援では、添付文書や服薬指導情報、先発品・後発品比較データなど、薬局業務を支援する様々な情報を提供する。
【在庫軽減に欠かせない分割販売サービス】
様々な機能の中でも平賀氏が特に利便性が高いとするのが分割販売だ。「分割販売機能のおかげで必要以上に在庫を抱えることがない」とし、業務の効率化には欠かせないとする。
また処方せん調剤を始めたばかりの同店では、現在のところ後発品の調剤は少ないが、今後、後発品使用がさらに進んでいった場合に、先発・後発品の適応症の違いも返信してくれる比較データは、非常に有効だろうと期待している。
このようにたった1台の端末で、非常に多岐に渡る機能を搭載しているENIFだが、ENIFをバージョンアップさせたMr.ENIFも新たに発売された。バーコードではなくタッチパネルで操作できるのが特徴で、ENIFと連動させることによってより一層、利便性の向上が期待できる。
【会員になれば様々な特典が】
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このほかENIFclub(エニフクラブ)の会員になることで、さらに多くの特典を受けることができる。
特典には、デッドストック情報共有掲示板利用や棚卸機能料金の会員割引、先発・後発品比較データの無料利用、薬剤師Webラーニング(ファーマストリーム)などがある。どの機能も会員から好評を得ているが、卒後・生涯教育の重要性が高まる中で、Webラーニングは高く評価されている。日本薬剤師研修センターの単位も取得でき、基礎から臨床まで、100近い講座数がある。
セイジョーではほとんどの管理薬剤師がこのWebラーニングを受けており、希望する勤務薬剤師やパート薬剤師も受講することができる。
最後に平賀氏に今後の展望を伺ったところ「併設店であるメリットを生かして、健康食品など良いものをたくさん患者さんに紹介し、積極的な情報提供をしていきたい」と抱負を語った。