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丸石製薬と吉田製薬は23日、両社の包括的な資本業務提携について昨年9月に交わした基本合意書における合意を解除すると発表した。丸石製薬が吉田製薬を子会社化した上で、殺菌・消毒剤、日本薬局方関連製品のラインアップや生産体制を一本化し、合理化を図る予定だったが、「製品の統一化には長期間を要する」として取り止めた。
両社は昨年9月に基本合意書を締結。合併した場合の製品一本化や生産体制のあり方、新たな営業体制などについて、両社の各部門幹部で構成される委員会が発足し、詳細な検討を進めてきた。
しかし、「両者で重複する製品が非常に多く、市場、流通を鑑みた場合、製品の統一化には長期間を要し、想定していた効率化を早期に実現することが困難であると判断」し、合意を解消して協議を中止した。
低価格な上、価格競争が激しい殺菌・消毒剤、局方品分野において、両社の一体化によって合理化を推進し、採算性の厳しい製品を長期的に安定供給できる体制を築き上げることが狙いの一つだった。どの製品を一本化するか、具体的な内容を今春までに固める予定になっていた。
殺菌・消毒剤、局方品分野では大型のM&Aは過去に例がなく、初のケースとして注目を集めていた。また、これらの分野で幅広く製品を展開する製薬会社のうち、売上高がトップ3に入る両社の合併は、同業他社から脅威として捉えられていたが、幻に終わった。
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