オーガナイザー
鈴木亮(帝京大薬)
小暮健太朗(徳島大薬)
細胞外小胞(EVs)は、蛋白質や核酸などの様々な分子を内包したナノ粒子であり、細胞間のコミュニケーションツールとして機能し、生体の恒常性維持において重要な役割を担っている。一方、疾病時には、正常とは異なるEVsが産生され、異常な情報伝達が生じていると考えられている。そのため、異常なEVsの解析は、疾病の早期発見や疾病の発症メカニズムの解明につながるものと期待されている。
また、このような細胞間での情報伝達を担っているEVsは、生体内でのドラッグデリバリーシステム(DDS)を実践している天然のナノ粒子製剤であると言える。従って、このEVsの機能を人工的に利用することができれば、生体機能に基づく究極のDDS製剤の開発につながるものと考えられる。
そこで本シンポジウムでは、EVsに関連した解析技術やDDS製剤開発を中心に、創薬イノベーションに貢献する新時代のナノ粒子テクノロジーについて議論したい。
(鈴木亮)