薬系ボランタリーチェーン(VC)のジョヴィ(本社大阪市、社長高崎信太郎氏)、協同組合くすりのユーヤク(本部大阪市、理事長山津靖弘氏)、協同組合くすりの九友会の事業会社アクシス(社長守田政義氏)は先月までに、年内を目標としたVCの大同団結に向けた協議を開始した。
3社は1998年にVC組織9団体(当時)で結成したPB開発機構であるジャパン・ドラッグ・フォーラム(JDF)にも参画する。単純合算による本部供給高合計は約350億円で、加盟店総数は1500店を超える。一般用医薬品流通市場は、大手量販店の台頭や今年6月の改正薬事法の完全施行に伴い、医薬品店頭販売の競争激化が予測される中、統合によるVC組織力を強化することで、生き残りを図る考えだ。
昨秋から昨年末にかけて、ジョヴィ側から二団体に対して大同団結への打診が行われ、今年2月末までに各団体から、統合に向けた協議を前向きに開始したいとの返答を得た。今後、ジョヴィと各団体がそれぞれ、会費やシステム使用料などを別個に協議を重ねて調整を進める。
ジョヴィの高崎社長は本紙の取材に対し、「従来、取引のあった卸が吸収合併により、VCが認められないというスタンスも出ている。大同団結の背景として、大衆薬卸の再編淘汰と改正薬事法の影響が大きい」と明かす。統合形態は未知数だが、協議は対等の精神で進めていく方針。その一方、組織間で開きのある会費やシステム利用料は、「今後調整を図っていきたい」としている。
各社の概要は次の通り
▽ジョヴィ=本部供給高209億円、加盟店舗数1082店▽ユーヤク=2億円、60店▽アクシス=138億円、425店。