2008年のH&Bフーズ市場は、前年比0・6%減の1兆8260億円になると、富士経済が分析した。H&Bフーズ市場は需要開拓が一巡して、05年から減少に転じ、07年は微増したものの、08年は再び減少することが見込まれている。調査結果は、報告書「H・Bフーズマーケティング便覧2009 No.3‐総括編」にまとめた。
08年は、特定健診・特定保健指導が開始され、メタボリックシンドローム対策関連市場の拡大が期待されていた。しかし結果として、メタボ市場は前年比6・8%減の3337億円になる見込みで、H&Bフーズ市場が減少した一因となっている。
その要因としては、メタボ対象者やその予備群が、カロリー・糖類を抑制した飲料や無糖飲料にシフトするなど、日常生活の改善から着手し、H&Bフーズまで行き着かなかったのではないかとしている。実際、任天堂の「Wii Fit」やエクササイズDVD、一般用医薬品の肥満防止剤などは好調で、競合がH&Bフーズ市場に影響したと見ている。09年予測は、前年比0・7%減の1兆8129億円を見込んでいる。
H&Bフーズ市場の中で、今後の増加が見込まれているのが、注目市場として取り上げられた「アンチエイジング市場」。08年は、前年比1・2%増の5073億円と見込んでいる。既に、H・Bフーズ市場全体の4分の1を超え、構成比は27・8%に達している。生活習慣病予防ではコエンザイムQ10などがブームの反動から縮小傾向にあるが、美肌や骨・関節サポートではコラーゲンやグルコサミン、ヒアルロン酸などが効果感の高さによって需要が拡大している。特に、骨・関節は老化による症状が出やすい部分であることから、高齢化の進展に伴い高成長していると分析した。
また、「小容量ドリンク市場」も注目市場に挙げ、08年は前年比2・2%増の1438億円と見込んだ。ドリンク類全般では縮小傾向が見られているが、小容量ドリンクは小幅ながら成長が続いており、ドリンク類市場に占める割合も20%を超えた指摘した。
特定保健用食品は前年比1・7%増の3587億円と見込んだ。ドリンク類は実績を減らしているが、参入企業が注力している整腸効果のヨーグルト類などが好調でプラス成長を遂げたと分析。メタボ対策の健康油も堅調に推移しているとした。