大鵬薬品とスペインの製薬企業「ファーママー」は3月31日、抗癌剤「ヨンデリス」(一般名:トラベクテジン)の日本での開発・販売に関するライセンス契約を締結したと発表した。契約一時金は10億円。
ヨンデリスは、ホヤ類から発見された海洋産物起源の新規抗癌剤で、DNAに結合し、細胞分裂、遺伝子転写、DNA修復機構を阻害する。
今回の契約により、大鵬薬品は、ファーママーに契約一時金10億円と共に、達成報奨金、日本での売上に応じたロイヤリティを支払う。また、ヨンデリスの日本での開発・販売費用は、大鵬薬品が全額負担する。
今後、大鵬薬品は、軟部組織肉腫と卵巣癌を適応症として、ヨンデリスの開発を進めていく。開発スケジュールは未定だが、準備が整い次第、第I相試験を開始するとしている。
既にヨンデリスは、進行・転移性軟部組織肉腫の治療薬として世界20カ国で販売されている。昨年には、再発卵巣癌を適応として、ペグ化リポソームドキソルビシンとの併用で欧州EMEA、米国FDAに承認申請を行っている。さらに海外では、乳癌、ホルモン耐性前立腺癌、肺癌を対象にした第II相試験も進められている。
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