第55回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会常務理事
亀井美和子
宮城県薬剤師会理事
我妻恭行
2019年12月公布の薬機法改正において、薬局の定義が「調剤の業務を行う場所」から「調剤の業務並びに薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導の業務を行う場所」に変わり、服用期間中の継続的かつ的確な把握(フォローアップ)が義務化された。また、16年に導入された健康サポート薬局の届出とは別に、知事認定制度が新たに導入されて「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」が新たに誕生するなど、地域における薬局・薬剤師の活躍に大きな期待が寄せられている。
その一方で、21年6月に公表された「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」の取りまとめにおいては、薬剤師の業務・資質向上と共に薬剤師の養成等に関して、養成(入学定員、薬剤師確保)、薬学教育(カリキュラム、教員、卒業までの対応)、国家試験のそれぞれについて、改善を求める意見が述べられている。変化する社会に対応するためには、卒後の自己研鑽と共に薬剤師養成を担う大学薬学教育の取り組みが重要であることは言うまでもない。
本分科会は、薬学教育の現状を踏まえた上での未来の薬剤師の養成について全体の動きを知り、議論を深めることを目的に企画した。基調講演では、日本薬剤師会常務理事の長津雅則氏に、日薬の政策提言等を踏まえて薬剤師教育の課題について講演いただく。続いて、厚生労働省、文部科学省、大学において薬学教育・薬剤師に関わる施策に直接関わっておられる立場の演者から講演いただく。
厚労省からは医薬・生活衛生局総務課の磯崎正季子氏、文科省からは高等教育局医学教育課の大久保正人氏、大学からは東北医科薬科大学の吉村祐一氏に登壇いただく。分科会を通じて、薬学教育・薬剤師資質向上に向けた課題、24年度からの導入に向けて改訂作業中である「薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)」の考え方などを共有し、これからの6年制薬学教育・薬剤師への理解とイメージを深めていただきたい。ぜひご参加いただきたい。
(亀井美和子)