米食品医薬品局(FDA)は9月29日、デュピクセント(一般名デュピルマブ)を結節性痒疹の成人患者に対する最初の治療薬として承認したことを発表した。デュピクセントは、アトピー性皮膚炎、喘息、鼻ポリポーシスを伴う慢性副鼻腔炎、好酸球性食道炎の治療などを適応としてFDAの承認を受けている注射薬である。
結節性痒疹は、慢性2型炎症性皮膚疾患の一種で、皮膚にかゆみを伴う固いしこり(結節)が形成される。米国では7万5,000人の成人が結節性痒疹に罹患していると見積もられているが、これまで全身治療の選択肢はなかった。
今回の承認は、デュピクセントの安全性と有効性を評価する2件の第3相試験(PRIME、PRIME 2)のデータを用いた優先審査に基づき決定された。いずれの試験でも、デュピクセント投与群には、初回に600mg、その後は2週間おきに300mgのデュピクセントが24週間にわたって投与された。
その結果、デュピクセント投与群ではプラセボ投与群に比べて、ベースラインから12週目の時点で皮膚のかゆみに臨床上意義のある改善(「最悪のかゆみのNRSスコア」で4ポイント以上改善)が認められた対象者の割合は、PRIME(44%対16%)とPRIME 2(37%対22%)の双方でデュピクセント投与群の方が高かった。この結果は、ベースラインから24週目の時点でも同様だった(PRIME:60%対18%、PRIME 2:58%対20%)。また、ベースラインから24週目の時点で皮膚病変が「消失」または「ほぼ消失」とされた患者の割合についても、デュピクセント投与群の方がプラセボ投与群よりも高かった(PRIME:48%対18%、PRIME 2:45%対16%)。
一方、安全性に関しては、鼻咽頭炎、結膜炎、ヘルペス感染症、めまい、筋肉痛、下痢などが認められた。これらは、他の皮膚疾患に対してデュピクセントを投与した際に認められたものと一致していた。
デュピクセントをサノフィ社と共同開発したリジェネロン社の社長兼最高科学責任者であるGeorge D. Yancopoulos氏は、「結節性痒疹患者の多くは、体表を覆う、かゆみや痛みを伴う何十もの結節と戦い続けざるを得ない。今回の承認により、結節性痒疹に苦しめられている人々は、ついに、このような身体を衰弱させる兆候と症状に対処するための薬剤を手に入れることができたのだ」と述べている。(HealthDay News 2022年9月30日)
Source
https://consumer.healthday.com/fda-approves-dupixent-for-prurigo-nodularis-2658363331.html
More Information
https://www.fda.gov/drugs/news-events-human-drugs/fda-approves-first-treatment-prurigo-nodularis