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米食品医薬品局(FDA)は9月1日、成人の汎発型膿疱性乾癬(GPP)のフレアに対する治療での第一選択薬としてSPEVIGO(一般名スペソリマブ)を承認した。
尋常性乾癬とは異なり、GPPは命を脅かす可能性のあるまれな好中球性皮膚疾患で、フレア(痛みを伴う無菌性膿疱が広範囲にわたり多発する)を特徴とする。GPPは米国では極めてまれであるため、兆候や症状を認識するのが困難であり、それが診断の遅れにつながっている可能性がある。
SPEVIGOは、インターロイキン(IL)-36受容体の作用を阻害する新規選択的抗体薬である。IL-36受容体は免疫系のシグナル伝達経路の一部で、GPPの病因に関与すると考えられている。
今回の承認は、GPPフレアの認められる患者53人を、12週にわたってSPEVIGOを静脈内投与する群、またはプラセボを投与する群のいずれかに割り付けて評価した臨床試験の結果に基づくもの。1週間後の時点で視認できる膿疱がなくなった対象者の割合は、SPEVIGO群で54%であったのに対してプラセボ群では6%であった。
SPEVIGOを投与された患者に特によく現れた(5%以上)有害反応は、無力症および倦怠感、吐き気および嘔吐、頭痛、掻痒および痒疹、注入部位の血腫およびあざ、尿路感染症であった。
この臨床試験を率いた、米マウントサイナイ・アイカーン医科大学のMark Lebwohl氏は、「GPPのフレアは患者の生活に大きな影響を及ぼし、命に関わる深刻な合併症に至ることもある」と述べ、「SPEVIGOの承認は皮膚科医および臨床医にとってのターニングポイントとなるものだ。これまでGPPのフレアを管理するための承認された治療薬はなかったが、今回のFDAの承認により、GPP患者には大きな変化がもたらされるだろう」と付け加えている。
なお、SPEVIGOの承認は、ベーリンガーインゲルハイム社に対して与えられた。(HealthDay News 2022年9月6日)
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https://www.fda.gov/drugs/new-drugs-fda-cders-new-molecular-entities-and-new-therapeutic-biological-products/novel-drug-approvals-2022