TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

【東日本大震災】あすか製薬いわき工場被災でチラーヂンの製造停止‐緊急輸入など代替措置急ぐ

2011年03月18日 (金)

 東日本大震災の影響で、甲状腺ホルモン剤「チラーヂンS」(成分名:レボチロキシンナトリウム)の製造がストップしている。製造販売元のあすか製薬いわき工場(福島県いわき市)が被災し、製造設備や立体倉庫が損傷を受けたため、チラーヂンS生産の見通しがつかない状況にある。18日時点で安定供給のメドは立っていない。こうした緊急事態を受け、全国保険医団体連合会は、甲状腺機能低下症患者などの生命に関わるとし、政府にチラーヂンSの緊急輸入・海外支援を要請。供給再開に向けた代替措置が急がれている。

 甲状腺機能低下症治療薬のチラーヂンSは、あすか製薬が98%を製造販売しているため、いわき工場の被災による製造ストップが、供給停止に直結した。チラーヂンSの半減期は7~10日程度と長いが、このまま生産の見通しが立たなければ、患者の生命が危険にさらされるため、危機感を抱いた保団連は「海外からの緊急輸入と、海外への支援要請が喫緊であり、関税や薬事承認の緩和など、超法規的措置が必要」と、政府の行動を強く迫った。

 現時点で同社は、「いわき工場の復旧に向けた活動の検討を開始した段階」と説明。まだ、チラーヂンSの供給再開のメドは立っていないが、流通在庫は1カ月分確保しているという。

 ただ、製造委託会社による生産、海外製品の緊急輸入、いわき工場の操業再開などの方策によって、同成分であるレボチロキシンナトリウムの供給は、再開できる見込みとしている。チラーヂンSと同じ製品の供給は難しいのが現状だが、当面は緊急代替措置として、レボチロキシンナトリウムの供給を行い、いわき工場の復旧に全力を挙げる。海外製品などレボチロキシンナトリウムを用いても、治療の継続性には問題はないという。

関連リンク


‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術