薬事・食品衛生審議会は19日の医薬品第2部会で、サノフィパスツールが開発した国内初となる単抗原の不活化ポリオワクチン(IPV)「イモバックス」の製造販売承認の可否を審議する。
従来のウイルスを弱毒化した経口生ポリオワクチン(OPV)は、数百万接種に1例程度とごく稀ではあるもののワクチン関連性麻痺が発生する可能性がある。厚生労働省は、欧米で一般化しているIPVの導入を急ぎ、ジフテリア・百日咳・破傷風の3種混合ワクチン(DPT)にIPVを加えた4種混合ワクチン(DPT-IPV)の準備を進めてきた。
しかし、予防接種スケジュールでは、DPTは生後3カ月以降のできるだけ早期に接種することが推奨されており、現状だとOPVより2カ月程度早く接種しているケースが多い。
そのため、DPT-IPVの開発までDPTを控えたり、DPTを一旦接種してから改めてDPT-IPVに移って過剰接種になることを避けるため、単抗原IPVの開発が求められていた。
サノフィパスツールによると、イモバックスは1982年の発売以降、86カ国で承認され、全世界へ2億7000万回分を供給しているという。