第57回日本薬剤師会学術大会
政府は、医療DXの推進に向け、電子処方箋、電子カルテ情報の標準化、診療報酬改定DXを骨格とした各種施策を実現し、必要な時に必要な情報を共有・交換できる「全国医療情報プラットフォーム」を構築する準備を進めている。そのような中、薬局は“薬を渡す場所”から“地域における健康管理の中核プラットフォーム”への進化が期待されている。

同社ではこの大航海時代を乗り切るため、薬局・薬剤師の未来への羅針盤となれるようなサービスとして、次世代コミュニケーションサービス「AnyCOMPASS」を立ち上げている。その第一弾としてクラウド版電子薬歴サービスを昨年6月にリリースしたが、本学術大会の展示ブースでは「薬局大航海時代 第二章~AIと進む未来の薬局~」をテーマに掲げ、生成AIの活用を紹介する。
2023年以降、生成AI技術は目覚ましい速さで進化しており、ヘルスケア領域でも薬剤師の業務効率化、精度向上の観点での活用が期待されている。その流れを受けて同社では、電子処方箋を中心とした医療DXへの対応など、さらなる変化の波が押し寄せる「薬局大航海時代」を乗り切るために、生成AIを活用した服薬指導・薬歴作成のためのAIアシスタント機能を開発した。
AIアシスタントは、指導内容データベースや過去の指導実績を学習し、生成AIを活用することで患者さんに合った指導内容をアシストする。また、患者属性情報、患者基本確認情報、処方内容、及び患者さんと薬剤師との会話情報から生成AIを用いてSOAP形式の薬歴を自動生成することで、薬歴記載業務の効率化を実現(特許取得済み)。クラウド版電子薬歴サービスのコンセプトである「しっかり」「スピーディー」「つながる」をさらに強化しており、本大会で参考出展する予定である。今後、在庫管理や経営分析などの本部機能を「AnyCOMPASS」ブランドとしてさらに充実させ、AIを積極的に活用していく計画だ。
同社は、過去35年以上にわたって薬局向けシステムの開発や販売を手がけてきた。同社が提供する保険薬局向けシステム「調剤Melphin/DUO」シリーズは、処方箋受付をはじめとした保険薬局の業務を幅広くカバーしている。さらに、保険薬局に特化したPOSシステム等、多彩な周辺システムをラインアップし、薬局業務をトータルにサポートしている。
また、同社は三菱電機グループの電子署名技術を活用した署名サービスも手掛けている。
HPKIカードを利用して署名を行うローカル署名をはじめ、クラウド上の証明書を用いて署名を行うリモート署名(HPKIカード、モバイルデバイスやマイナンバーカード認証)にも対応しており、医療DXの基盤を支える電子処方箋の展開にも貢献している。
薬局・薬剤師への期待の高まりと共に薬局の業務領域は拡大の一途を辿っているが、製品やサービスの提供を通して、薬局の変化をサポートしていく考えだ。