日本薬剤師会会長 岩月進

新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、お健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。また、平素から日本薬剤師会の会務に格別のご理解とご支援をいただき、心よりお礼申し上げます。
昨年は、能登半島を震源とする地震や各地での豪雨などによる災害が続いた一年となりました。
犠牲になられた皆様に深く哀悼の意を表すると共に、被災地の皆様に心より謹んでお見舞い申し上げます。一日も早く日常生活を取り戻せるように、そして本年が穏やかな年となることを心よりお祈り申し上げます。
さて、医薬品は国民の健康と命を守るために欠かせない大切な物資であるにも関わらず、昨今の物価上昇、人件費の高騰、さらに7年連続の薬価改定の影響により、薬局では大変厳しい経営状況が続いているばかりでなく、医薬品産業にもその影響は及び、医薬品の安定供給、創薬力の低下、ドラッグ・ラグ/ロスなどの深刻な問題が続いております。
日本薬剤師会としては、こうした問題の早期解決のため、適切な財源の確保等を関係者に引き続き働きかけると共に、厚生労働省での医薬品医療機器等法改正等の検討に当たっては、医薬品の安定供給、ドラッグ・ラグ/ロスの解消を実現するため、積極的に意見を述べてきました。
本年も問題の一刻も早い解決に向け、関係の皆様と十分に連携しながら、引き続き適切に対応をしていく所存です。
2025年は、地域包括ケアシステムの構築目標年とされています。住み慣れた地域で住まい・医療・介護・予防・生活支援のサービスが一体的に提供されるシステムを構築し、その中で全ての薬局がかかりつけ薬局としての機能を持つことが求められています。
また、昨年4月から、各都道府県において第8次医療計画がスタートしたところです。こうした状況の中で、日本薬剤師会としては、地域に必要な医薬品を過不足なく提供するという薬局・薬剤師の使命・役割を果たすための環境づくりを確実に進めていきたいと考えています。
地域住民の医薬品アクセスを確保し、安全・安心な医薬品提供システムの確立に向けて、本会の政策提言である「地域医薬品提供計画」の策定・実現を目指し、全力で取り組んでいきます。