様々な内服固形剤に対応‐紀ノ光台の包装ライン稼働も
田村薬品工業は、薬機法の変化に対応する形でドリンク剤の製造販売をはじめ、健康食品から医療用医薬品まで幅広い分野で製品開発に取り組み、内服固形製剤を中心とした総合受託製造体制を確立している。また、包装受託や医薬品開発における治験薬製造、分析、製剤化の検討など、製品開発業務の受託も提案している。

紀ノ光台工場
同社には御所本店工場(奈良県御所市)・五條工場(同五條市)・紀ノ光台工場(和歌山県橋本市)の3工場があり、固形剤の生産ラインは散剤・顆粒剤・素錠・有核錠・フィルムコーティング錠・糖衣錠・カプセル剤など、内服固形製剤のあらゆる剤形に対応。豊富な経験と製造技術を生かし、GMPに基づく製造管理と品質管理を徹底し、3極GMPおよびPIC/Sに対応するため、常に品質保証体制を見直すと共に、高度な品質管理とフレキシブルな生産体制を構築している。
御所本店工場のドリンク剤の液剤ラインは、日産70万本、1分間に800本充填可能な800bpmドリンクラインと、様々な包装仕様に対応した自動化設備を備えた200bpmドリンクラインがあり、多様化するニーズにも対応。美容ドリンクや睡眠改善などのドリンク剤の開発にも取り組んでいる。また、健康食品や清涼飲料水においては、機能性表示食品の開発や海外輸出も視野に入れ、健康食品GMPを2024年に取得した。
医療用医薬品や一般用医薬品の固形剤の受託製造は、包装受託も含め五條工場、紀ノ光台工場で対応している。五條工場は、小ロット多品種の固形剤を中心に製造。
紀ノ光台工場はグローバルGMPに対応し、世界の医薬品生産基準に沿った大~中ロットの内服固形剤専用の工場で、4月には増設中の包装ラインの稼働も予定している。
工場内は、錠剤の搬送や保管に小型容器を採用し、小型容器が工程室に自動で運び込まれた後、打錠・糖衣・錠剤検査および包装ホッパー投入までの工程間をハンドリングロボットが完全自動で生産する製造方式(スマートカンガルー方式)を採用している。
自動搬送との組み合わせで完全自動化対応となり、人の介在を最小限にして、高い品質と安定供給・コストメリットを実現している。また、将来の受託に向けた対応として4階部分に空スペースを確保している。
これからは海外も視野に入れ、医療用医薬品をメインにした固形剤の製造を積極的に展開する予定だ。また、一般用医薬品についても様々な製造実績があり、徐放製剤や有核錠などの剤形のほか、漢方薬を含めた医薬品成分に関しても知識・経験を蓄積・保有しており、処方設計からの受託が可能となっている。
田村薬品工業
https://www.tamura-p.co.jp/