テルモは6月27日、カテーテル肝がん治療用の放射線放出ビーズを開発・生産する100%子会社で、オランダのクイレム・メディカルについて、清算手続きを開始したと発表した。
テルモは2020年にクイレム社を買収し、同社が開発した放射線放出ビーズを欧州市場向けに販売してきた。買収以降、グローバル展開を目指して事業拡大に取り組んできたが、規制の違いなどから欧州以外の市場への導入が進まなかったことに加え、競合製品との競争も激化したことで事業環境が悪化、当初想定していた事業成長の実現が困難となった。
こうした状況を踏まえ、テルモは放射線放出ビーズの販売を終了し、今年5月以降、事業終息に向けてクイレム社の労働組合(Works Council)との協議を進めてきた。今回、協議が完了したことから、清算手続きを開始した。清算は今年度第3四半期中の完了を予定している。
クイレム社の清算に伴い、テルモは放射線放出ビーズに関する事業を終了するが、カテーテル肝がん治療分野については今後も成長領域と位置付け、引き続き注力していく。肝がん患者に多様な治療の選択肢を提供できるよう、マイクロカテーテル、塞栓用ビーズ、薬剤溶出型ビーズ、生分解性薬剤溶出型ビーズ、アブレーション治療などの分野において、革新的な製品の提供に努めていく。
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