オリンパスは21日、8月1日にサラヤと共同申請していた「インド/デジタル技術を活用した内視鏡の日本式感染管理システム移転に関する調査事業」が、経済産業省の2024年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)」に採択されたと発表した。この事業は、経産省の補助を受け、日本で確立されている感染管理システムをインドに移転する実現性を調査し、安全かつ安心な内視鏡医療環境の構築を目指すことを目的にしている。
インドでは、日本を上回る数の内視鏡検査が行われており、今後も人口の増加に伴い症例数も増加が見込まれている。一方で、感染管理体制は日本と比較すると十分に整っておらず、多くの医療機関で内視鏡の洗浄・消毒に自動洗浄機を用いず、簡易な手洗浄にとどまっているのが現状となっている。
これに対し、日本では学会が制定したガイドラインや、デジタル技術を搭載した洗浄消毒装置の普及により、世界的に高い水準の感染管理が実現されている。
今回採択された事業は、東京大学病院の感染制御部および消化器内科と協力し、内視鏡の日本式感染管理システムのインドへの移転実現性を調査するもの。インドの医療機関から専門家を日本に招き、東大病院での研修や視察を通じて、日本式の感染管理システムへの理解促進につなげていく。また、東大病院の専門家がインドの医療機関を訪問し、現地の内視鏡室や洗浄室の環境調査を行って課題を明確化し、安全かつ安心な内視鏡医療環境構築に向けた討議を日本とインドの専門家間で実施していく。
サラヤは、「衛生」「環境」「健康」の三つのキーワードを事業の柱とし、より豊かで実りある地球社会の実現を目指している。1952年の創業で、一般家庭からプロの現場まで、各種洗浄剤・消毒薬および健康食品などの製品とサービスを開発・提供している。
「医療機器・化粧品」の記事に関するご意見・お問合せは下記へ。
担当者:河辺
E-mail:kawabe_s@yakuji.co.jp
TEL:03-3866-8499