オリンパスはこのほど、悪性腫瘍による消化管閉塞の治療に用いるSBカワスミ(住友ベークライトの子会社)製メタリックステント「スプライダー胃十二指腸ステント」「ジャバラ大腸ステント」「Bactrian(バクトリアン)大腸ステント」の国内での独占販売契約を締結し、12月上旬から発売する。同社が日本国内で消化管用のメタリックステントを発売するのは同製品群が初めとなる。

左からスプライダー胃十二指腸ステント、ジャバラ大腸ステント、Bactrian大腸ステント
同製品群は、独自の構造を持つ消化管用メタリックステントで、悪性腫瘍によって狭くなった胃、十二指腸、大腸の内腔を拡張するために使用されるもの。
スプライダー胃十二指腸ステントは、金属に糸を織り交ぜた独自の製法を用いることで、ステントの柔軟性を高めていることが挙げられる。これにより、胃・十二指腸の屈曲の強い部位にもステントがフィットすることで消化管への負荷軽減が期待される。
大腸は伸び縮みをくり返して消化した食べ物を移動させ、体外へ排出する。ジャバラ大腸ステントは、ステントの柔軟性を高めることで、ステント留置後の大腸の動きへの追従性を追求している。また、ステント表面を覆うカバーによって、ステントの網目からがん細胞が侵入し、再び大腸が狭くなることを抑制し、患者のQOL維持が期待される。
Bactrian大腸ステントのメタリックテントは、独自の筒状のデリバリーシステムにしまわれており、内視鏡下で挿入して狭窄部位に到達した際にデリバリーシステムから展開することで留置できる。同製品は、独自構造のデリバリーシステムによりステント先端側からだけでなく、手元側から展開できる仕様にしたことで、内視鏡画像で目視しながら留置の確認ができ、より安全な手技をサポートしていく。
悪性消化管狭窄は、食事摂取不能や腸閉塞などの原因となるため、内視鏡的治療によって内腔を拡張することがある。メタリックステントは、金属製のメッシュ構造をした筒状の処置具で、対象部位に留置することで狭くなった内腔を広げることができる。今回同社は、消化器科処置具の製品ポートフォリオに消化管用メタリックステント3種を新たに追加することで、医療従事者と患者により幅広い内視鏡治療を提供し、医療水準の向上を目指していく。














