東芝は25日、量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+」に、世界最大規模となる「10億変数」の超大規模問題の求解を可能にする「SQBM+ Version 2.2」の提供を開始したと発表した。同バージョンでは、より現実に近い規模の問題を対象にできるようになり、金融、創薬、物流などの分野における意思決定の高度化や課題解決に貢献する。
「SQBM+」は、同社が開発した技術「シミュレーテッド分岐アルゴリズム」を用いた組み合わせ最適化ソルバー「シミュレーテッド分岐マシン」を核とした量子インスパイアード最適化ソリューション。既存の計算機を使用して、複雑で大規模な問題の高精度な近似解(良解)を短時間で得ることができる。
今回、扱える変数を10億に拡大したことで、組み合わせが膨大となる問題でも、より広い範囲を対象に最適な解を導き出すことが可能となっている。同技術は、金融市場における巨大ポートフォリオ、全国規模でのリアルタイム配送の最適化、数千塩基長のmRNAワクチン設計など実社会で直面する課題での活用が期待される。
また、同バージョンでは、利用者から要望の高かったGPUリソースを柔軟に割り当てる機能を搭載している。
GUPリソースによって、フロントエンドからの複数のリクエストに対して、バックエンドがGPUを自動的に振り分けることで、GPUを効率的に活用しながら複数のリクエストを同時に実行できるようになった。また、リクエストごとに使用するGPU数を指定できるため、小規模な問題を並列に実行することも、大規模な問題にGPUを集中させることも可能となっている。
これにより、多数の小規模な問題の並列実行や、大規模な問題への計算資源の集中が可能となり、利用者のニーズに合わせた効率的な運用が可能となっている。
さらに、解の精度向上のため、候補解のパターンを特定して探索空間を絞り込むアルゴリズム「SchemaSBM」を組み込んでいる。
同バーションは、オンプレミスGPUサーバ向けソフトウェアおよびパートナー向けソフトウェアモジュール(Amazon Machine Images)として提供していく。
同社はこれまで、SQBM+を活用し、株式市場における高速高頻度取引への応用可能性の共同検証や新たな株式指数の共同開発、計算創薬への適用技術の検証、工場倉庫内のピッキングルートおよび棚配置の最適化による物流管理の実証、エネルギーマネジメントや材料開発での有効性の検証などを行ってきている。今後も様々な領域にSQBM+を適用することで、複雑化する社会課題の解決に取り組んでいく。
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