薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会は8日、生薬・動植物成分のリスク区分の見直しを了承した。一般薬のリスク区分で、現行は第2類のブシを指定第2類に、第3類のソウキセイを第2類に引き上げる。同じく指定第2類へのリスク区分変更が検討されていたカロコン、センソについては、第2類に据え置く。
リスク区分の見直し案は、4月22日の調査会での審議を踏まえ、5月16日から約1カ月間、パブリックコメントを募集。今回その意見を踏まえて修正したもの。
前回の調査会では、ブシ、加工ブシ、ホウブシを含有する製剤は、重篤な副作用報告がなされていることや、これらの生薬を含む医療用漢方製剤の添付文書で、「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項、「小児等への投与」の項で注意喚起することとされているため、現行の第2類から指定第2類に引き上げることが適当とされていた。
パブコメでは、第2類に据え置くことが適当との意見が寄せられていたが、見直し案通り指定2類に引き上げる。
第2類のカロコンは、毒性の強いトリコサンチンやカラスリンを含むことから、指定第2類の候補とされたが、毒性報告は、筋肉注射、静脈注射および局所作用によるものであるため、変更は見送った。
第2類のセンソについても、毒性の強いアルカロイドなどの成分を含んでいるものの、毒薬・劇薬の規制において、毒性学的な量制限が行われ、直接的な関連が認められる重篤な副作用報告もないことから、指定第2類への引き上げは行われなかった。
第3類のソウキセイには、第2類のセイヨウヤドリギなど、ヤドリギ科の植物が含まれるため、第2類に変更した。
パブコメでは、第2類の八ツ目ウナギを、第3類に変更することが適当との意見が寄せられていた。しかし、八ツ目ウナギは、ビタミンAを含有する動物成分で、妊婦や妊娠の可能性のある婦人への投与に、一定の注意が必要になるため、第2類に据え置くこととなった。
また、これまでリスク区分が定められていなかったクロマメを第3類に、コウホン、鉄粉、シャカンゾウを第2類に分類した。シャカンゾウについては、カンゾウと同様に量的条件が付き、1日量が1g未満を含有する場合は第3類となる。