小野薬品と独メルクは、多発性硬化症治療薬「ONO-4641」、癌ワクチン「スティミュバックス」に関するライセンス契約を締結した。小野が自社創製の「ONO-4641」について、日本・韓国・台湾を除く全世界での開発・販売権を導出する一方、メルクの医療用医薬品部門メルクセローノが開発中の癌ワクチン「スティミュバックス」の国内共同開発・販売権を獲得する。
今回の契約により、小野はメルクから契約一時金15億円を受け取ると共に、開発の進捗と上市後の売上目標達成に応じたマイルストンを受け取る。一方、メルクに契約一時金500万ユーロを支払う。
小野は、多発性硬化症治療薬の開発で豊富な経験を持つメルクセローノと提携し、「ONO-4641」のグローバル開発を加速させると共に、重点化を進める癌領域でワクチン分野を強化する。
「ONO-4641」は、小野が創製したスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)受容体作動薬。現在、多発性硬化症を対象に国際共同第II相試験が進められている。
「スティミュバックス」は、メルクが米社から導入した癌ワクチン。腫瘍抗原であるMUC-1を標的としたBLP25リポソームワクチンとして、国内ではメルクセローノが非小細胞肺癌を対象とした第II相試験を進めている。