厚生労働省医薬食品局長 榮畑 潤

国民の生命と健康を守ることは、厚生労働省の基本的使命であり、日々高まる医薬行政に対する国民の皆様のご期待に沿えるよう、本年も全力で取り組んでいきます。
まず、2012年1月の厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会の取りまとめ等を踏まえ、医薬品等による健康被害の発生を防止しつつ、必要性の高い医薬品等を迅速かつ安全に提供するため、医薬品等の安全対策の強化、医療機器や再生医療製品の特性を踏まえた規制の構築等を行うと共に、違法ドラッグ対策を強化するため、薬事法改正法案の提出に向けた準備を進めていきます。
具体的には、▽医薬品・医療機器等関係者の責務の明確化▽製造販売業者に最新の知見を反映させた添付文書の作成および届け出の義務づけ▽医療機器の特性を踏まえた迅速な実用化に見合った規制・制度の合理化▽再生医療製品の実用化加速のため、特別に早期に承認できる仕組みの導入▽指定薬物の規制強化――などを検討しております。
併せて、制度改正のほか、審査の迅速化・高度化を図るため、医薬品医療機器総合機構の審査員の拡充やアカデミアとの人材交流、日本発シーズの実用化に向けた医薬品・医療機器に関する薬事戦略相談事業、未承認薬・適応外薬の解消および医療ニーズの高い医療機器等の早期導入への取り組み、レギュラトリーサイエンスの推進等を行っていきます。
さらに、市販後の安全対策につきましては、医薬品医療機器総合機構における安全対策部門の人員増等のほか、本年も、大規模医療情報データベースを活用した新しい安全対策の実施に向けて事業を進めると共に、「医薬品リスク管理計画」の導入など、新しい施策にも取り組んでいきます。