日本薬剤師会会長 児玉 孝
本会は昨年4月、公益社団法人に移行いたしました。薬剤師の職能団体が公益性を認められたことは、薬剤師の社会的役割から大変意義のあることであり、改めて社会的責務を果たす責任の重さを感じる次第であります。
さて、日本薬剤師会の本年の重要な課題を、以下の通りお示しします。
(1)日本薬剤師会創立120周年記念事業
本年6月をもって、日本薬剤師会は明治26(1893)年創立以来120周年を迎えます。これを機に6月9日、東京・帝国ホテルにおける記念式典をはじめ、会館建設ほか記念事業を実施する予定であります。関係各位におかれましては、記念事業へのご協力をよろしくお願い申し上げます。
(2)医療計画の実施
本年4月から、今後5年間にわたる都道府県による新たな医療計画がスタートします。今回から、4疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病)に精神疾患が追加され、また5事業(救急・災害・へき地・周産期・小児)とは別に、在宅医療の医療連携体制の構築が加わりました。今回新たに加わった精神疾患については薬物治療が重要であり、予防から救急、社会復帰に至るまで、薬局と薬剤師が積極的に関わることが求められます。
在宅医療に関しては、急速に進む高齢化への対応には地域における在宅医療提供体制の構築が不可欠との認識から、医師や薬剤師、看護師といった医療職種、そして医療機関や薬局・訪問看護ステーション等の施設が連携してチーム医療に取り組むことが求められています。
(3)薬剤師の将来ビジョン
薬剤師を取り巻く環境の変化や将来予測を踏まえ、薬剤師の将来ビジョンの策定に取り組み、昨年6月暫定版を公表しました。本年は正式版を提示する予定ですが、あらゆる職域に従事する薬剤師の将来像とその実現に向けて、参考になればと考えております。