
盛況の「経営者のためのM&Aセミナー」会場
昨今は中小企業のM&A(企業の譲渡・譲受)が目立っているが、今年も加速を見せそうだ。中堅・中小企業のM&A仲介実績が“業界No.1”の日本M&Aセンター(東京千代田区)では、これまでも「経営者のためのM&Aセミナー」を開催してきたが、2013年度の同セミナー(年3回実施)申込者は平均1700人だったが、14年度は平均2300人と過去最高ペースとなった。同社では2~3月にかけて全国8会場でセミナーを開催するが、関心を示す経営者が引き続き目立つという。
日本M&Aセンターは、M&A仲介専門会社唯一の東証1部上場企業で、企業の存続と発展を目的とした“友好的M&A”を全国で支援する。全国の地方銀行9割、信用金庫7割、570の会計事務所と提携したM&A情報ネットワークが最大の特徴で、中堅・中小企業のM&A支援実績は累計2000件以上を数える(調剤薬局、ドラッグストアも含む)
同社の三宅卓社長は、中堅・中小企業をはじめとした経営者のM&A・事業承継に対する理解促進を目的として開催してきた「経営者のためのM&Aセミナー」について、「ここ1~2年、出席者が飛躍的に増加している。多くの経営者が危機感を持っている一つの現れと考える」とする。
団塊の世代の経営者の多くが高齢化(引退適齢期)し、事業承継で悩んでいるという。「全国平均で6割以上の企業が“後継者不在”とのデータもある。いわば3社に2社が後継者がいない時代になった。では会社を精算できるかというと、精算できる企業は幸せで、自宅を売却して全財産を投げ打っても借金だけが残るというケースが大半」という。小規模企業でも株価が億単位になると、役員であっても買い取れない。借金に対する連帯保証と担保の提供も難しく、結果的にM&Aしか出口がない会社が多いというのが現状。
後継者問題に加え、生産の海外シフト・事業集約化・人材不足もあって、日本の中小企業には業界再編の波が押し寄せている。また、譲渡企業が爆発的に増えている一方で、同業あるいは異業種を買いたいという企業も激増しており、譲渡企業の8~10倍くらいの買い手企業が待っている状況だという。
「経営者のためのM&Aセミナー」は、M&Aの戦略的活用により、多くの経営者が抱える「後継者問題」や「先行き不安」を解決し、企業の「存続と発展」を実現するのが目的(参加費無料)。中小企業におけるM&Aの具体的なステップ及び注意点、友好的M&Aによる企業譲渡の最新事例紹介もある。プログラムは全会場共通。
2月12日の名古屋を皮切りに、2~3月にかけて仙台、東京、横浜、大阪、神戸、岡山、福岡の全国8会場で開催予定で、詳細・申し込みは同社ウェブ(http://www.nihon-ma.co.jp/seminar/)