
東京宣言にサインした中村JCROA会長
(中央)、ウィンスタンリーASRO会長(右)、
クルノーEUCROF会長
日本CRO協会(JCROA:中村和男会長)、米国CRO協会(ACRO:ディレク・ウィンスタンリー会長)、欧州CRO協会(EUCROF:アント・クルノー会長)は26日、東京で会合し、国際的な医薬品開発における課題解決に向け、3極のCRO協会が連携して取り組むことなどを盛り込んだ「東京宣言」にサインした。製薬企業のパートナーであるCROが、医薬品開発における専門知識、豊富な経験、ノウハウを備えるプロフェッショナルとして、今後も国際的に重要な役割を協調して担っていく決意を表明したもの。
3極CRO協会のトップによる会議は、26日に開催された日本CRO協会設立15周年記念講演会に、ACRO会長、EUCROF会長が来賓として招かれたのを機に行われたもの。採択された東京宣言の内容(仮訳)は次の通り。
[1]医薬品の開発は、世界のあらゆる地域において治験を実施する必要性を伴うグローバルな取り組みであるため、豊富な経験と専門知識を有する開発業務受託機関(CRO)は、このプロセスに不可欠な存在である。
[2]CROの基本的責務は、国境を越えても不変的であることから、臨床業務基準を統一していくものとする。
[3]グローバルな医薬品開発業界の重要な一員として、CROは患者の安全性及び倫理基準を常に優先し、治験プログラムにおける基準及び改善を促進していく責務を担う。
[4]国、地域、世界レベルでCROを代表するグループが多数存在するため、われわれは患者の安全性、研究革新、効率性、科学的な品質、データの完全性を普遍的に推進する。
[5]CROは業界の価値ある提案を推進し、利害関係者を啓蒙し、不当な規制や不公平な競争から業界を守ることにより、グローバルな医薬品開発において、今後も重要な役割を果たしていく。
[6]2009年2月26日に東京で開催されたJCROA、ACRO、EUCROFの会議は、CRO協会が協調し、統一見解を構築していく上で、重要な第一歩となる。
[7]ACRO、EUCROF、JCROAは、加盟企業が採用する共通理念における協調を助長していくため、全てのCRO協会が参加する会議を世界規模で開催する用意がある。