保険請求情報を解析
京都薬科大学臨床薬剤疫学分野の村木優一教授らの研究グループは、国内の保険請求情報を解析し、薬剤師による各患者への個別介入がバンコマイシン(VCM)投与患者の効果や副作用防止に貢献していることを明らかにした。VCMの副作用である腎障害発現や30日以内の死亡に影響する因子を解析したところ、薬剤管理指導料の算定はこれらの抑制に関わることが分かった。村木氏は、VCMを投与する患者個別の薬学的管理の効果が示されたことは「インパクトのある結果」と話している。
村木氏らは、メディカル・データ・ビジョンから取得した大規模保険請求情報を解析。2010年から19年にVCMが投与された患者14万6500人のうち、▽VCMの連続投与日数が3日以内▽初回投与前月に腎障害が記録されている▽VCMを除いた特定薬剤治療管理料の算定対象薬剤が投与されている――などの患者を除外した7万3500人を抽出した上で、薬物血中濃度モニタリング(TDM)実施患者群の中からTDM非実施患者群と似た背景の患者を抽出し、各群1万8200人ずつに揃えて比較した。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。