オーガナイザー
諫田泰成(国立衛研)
黒川洵子(静岡県大薬)
近年、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤など新たな抗癌剤の開発に伴い、癌患者の生命予後が大きく改善し、癌サバイバーが増加している。一方、今まで顕在化していなかった癌治療の副作用が大きな問題となってきた。特に、心臓は生命維持に重要な臓器であるため、癌治療に関連した重篤な副作用として心血管疾患が引き起こされ、癌患者やサバイバーのQuality of Lifeの低下や生命予後へ影響を与えることが報告されている。このような状況のもと、「腫瘍循環器学」という新しい学際領域が⼤変注目を集めており、国内外で活発に議論されている。
そこで、本シンポジウムでは、抗癌剤⼼毒性の予防、リスク、毒性発現メカニズム等の視点から最先端の研究者にご講演していただき、現状や今後の課題について議論したい。これによりbenchからclinicまで腫瘍循環器学の理解が深まり、薬学研究の基礎と臨床の橋渡しがさらに発展することが期待される。
(諫田泰成)