オーガナイザー
松本靖彦(明治薬大)
鴨志田剛(京都薬大)
近年、新型コロナウイルス感染症に限らず、細菌や真菌による新興・再興感染症が世界中で問題となっている。これら感染症は、薬剤耐性の問題と相まって、既存の治療薬やヒトが獲得した免疫だけでは制御できない。新興・再興感染症は、人類の健康への影響のみならず、その感染対策のための費用の問題を含めた経済などのあらゆる面の人間活動に重大な悪影響を及ぼしている。
新型コロナウイルスが猛威を振るう昨今、一般の人々の感染症や感染対策に対する意識が大きく変化している。このような状況下で、感染症克服に向けた基礎研究・基盤技術を応用した感染症対策の考案や診断薬および治療薬の開発は推進すべき研究課題である。
本シンポジウムでは“感染症を克服するための多角的アプローチ”と題し、様々な薬学領域で活躍する若手研究者に、植物感染実験、実験室進化、ゲノム解析、ケミカルバイオロジー、生化学、高効率遺伝子組み換え法の開発といった多岐にわたるアプローチでの細菌・真菌感染症研究についてご講演いただく。専門領域を超えた新たな発想による新規感染症制御戦略の開発につながることを期待している。
(松本靖彦)