処方箋入力が約10秒で完了‐NeoX 薬師丸賢太
NeoXが提供する処方箋入力支援サービス「薬師丸賢太」が、サービス開始後約1年で導入店舗数が1200店を突破した。順調な拡大の背景には、処方箋入力が約10秒で完了する利便性や、導入時の負担の少なさがある。同社は電子処方箋の運用が開始された今こそ薬剤師の業務効率化が必要だと指摘する。
薬師丸賢太は処方箋をスキャナーに通す、またはスマートフォンで撮影することで処方箋情報を読み取り、レセコンに処方箋情報を「早く」「正確に」入力するサービスだ。画像から文字を読み取り電子データ化するOCR技術にAIを取り入れたことで、医療機関ごとに異なるフォーマットの処方箋や手書き文字にも対応でき、完全一致率(読み取り内容に誤りがない割合)99%と高い精度を実現する。従来は手作業だった処方箋入力の負担を軽減することで、患者対応に割く時間の創出が期待できる。
従来の処方箋OCRでは必要だったフォーマット登録など事前準備が薬師丸賢太では不要なため、導入直後から処方箋の読み取りを開始できる。同社COOの長井建郎氏が「“とりあえずスキャンしてみたらレセコンに情報が入っていた”というくらいの手軽さを目指した」と話すように、操作方法を覚える手間がない点も薬剤師から評価されている。
さらに、薬師丸賢太はレセコンメーカーの変更や専用機器の設置が不要なため費用面でも導入時の負担が少ない。スキャナーに指定の機種はなく、店舗にあるスキャナーやスマートフォンをそのまま利用できる。長井氏は「操作も簡単で初期導入費用もいただいていないため、気軽に試してもらいたい。一度使ってもらえたら、便利さを実感いただけると思う」と自信を示す。
対応の早さも同社の強みで、薬師丸賢太は問い合わせから最短で翌日から利用を開始できる。長井氏は「過去の事例では、薬局からの要望を受けて実装を決めた新機能を1週間以内にリリースできたことがある。もちろん開発の内容にもよるが、目安は1週間。社内業務にもAIを活用することで、対応の早さを実現できるので、当社独自の強みの一つ」と述べる。
3月に読み取り精度を高める機能を実装したように、同社は今後も薬師丸賢太の利便性の向上を目指す。長井氏は「電子処方箋の運用が開始されたことで、紙と電子のどちらにも対応しないといけなくなる。その期間は薬局の業務負担増加が想定される」と指摘し、薬局業務の効率化の必要性を訴えた。「業務効率化に貢献できるよう引き続き精度改善に努めると共に、薬局の悩みや要望に沿った新機能の開発に生かしたい」との展望を明かした。
NeoX (薬師丸賢太)
https://yakumaru.ai/