◆ある地域で薬学部新設による地元への薬剤師就職者数の上積み効果は年間5人程度と聞いて、その少なさに驚いた。大学の薬学生を対象に、卒後働きたい地域を調査した結果だ
◆他地域の高校出身者で、将来大学がある地域で働きたいと希望する薬学生はほとんどいなかった。地元高校の出身者でも、地元での就職希望者は約半数にとどまった。大学がないと仮定した場合のUターン就職者数と比べて試算すると、薬学部新設の上積み効果はその程度になるようだ
◆薬剤師不足や地域偏在の解消につながるとして、地元での薬学部新設を歓迎する関係者の声をよく耳にした。各地域によって状況は異なるものの、実際には期待ほどの成果はないのかもしれない
◆単に大学を新設するだけでなく、地域枠を設けて卒後一定期間地元での就職を義務づけるなど、何らかの工夫が必要だ。実務実習を、地元の病院や薬局で働く魅力を伝える機会として捉え直すことも有効だろう。地域に大学があるメリットを最大限に引き出す余地は、まだある。
地元への薬剤師就職者、増やす工夫を
2023年04月28日 (金)
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