◆動物試験なしの医薬品開発は10年程度で可能になるか――。横浜市で開催された日本毒性学会学術年会で投げかけられた質問だ。参加者の約8割は「動物試験はまだ必要」と否定的な見解を示した
◆質問の背景にあるのは1月に米FDAが公表した「近代化法2.0」だ。医薬品承認で動物試験の義務をなくし、代替法が動物試験と同等と立証された場合、受け入れると決定した。本当に必要な動物試験を見極めつつ、最小限の動物試験が社会的に必要であることの理解も得る。画期的な決定だ
◆ただ、製薬企業の研究者は「研究側と臨床開発側が連携し、動物試験なしの医薬品開発を進めるための考えを根付かせるには時間がかかる」とし、アカデミアの治験責任医師は「動物試験代替法が信頼できた時に動き出す」と慎重な見方だった
◆とても興味深い討論だった。それだけに毒性学会の学術年会のみならず、もっと開かれた場で動物福祉と医薬品開発がどうあるべきか議論すべきではないか。社会的理解を深めなければ先に進めない。
動物試験なしの医薬品開発は可能になるか
2023年06月23日 (金)
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