宮崎大学医学部医学科免疫学の佐藤克明教授らは、白血球の一種である樹状細胞に発現する蛋白質のマウス「Clec4A4」とヒト「CLEC4A」が新たな免疫チェックポイント分子として、癌の免疫抑制機構に関わり、その阻害は癌免疫応答を増強することを明らかにした。
ヒトでは、体外から侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除する免疫機構が備わっており、体内で発生した癌細胞の排除にも重要な働きをしているが、癌細胞は免疫機構から逃れるために様々な手段を用いている。免疫チェックポイントは、自己の細胞や組織への不適切な免疫応答や過剰な炎症反応を阻止する免疫抑制機構。代表的な免疫チェックポイント分子として、T細胞に発現するCTLA-4やPD-1などの抑制性受容体があり、これらの抑制性受容体に生理的なリガンドが結合すると、T細胞の増殖や機能が抑制される。癌細胞は、この免疫抑制機構を利用して宿主の免疫機構から回避していることが明らかになっている。
＊ 全文閲覧には、薬事日報 電子版への申込みが必要です。
