第56回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会理事
山田武志
和歌山県薬剤師会常務理事
古川晴浩
2019年に「医薬品医療機器等法」が改正され、21年8月には認定薬局制度が創設された。本制度では、患者が自身に適した薬局を選択できるよう、要件を満たした薬局がそれぞれ「地域連携薬局」や「専門医療機関連携薬局」を標榜することが可能となったが、制度が施行され2年が経過した今、改正薬機法で見直された薬局の定義や患者のための薬局ビジョンで示された薬局の機能を実効あるものにすることが求められており、本分科会では地域の薬局に求められる役割を改めて議論し、地域全体で患者を支えるために何が重要であるかについて議論する。
基調講演では「地域全体で患者を支えるために薬局ができること-協働と連携」と題して、京都大学医学部附属病院薬剤部の寺田智祐教授に昨今の医療制度改革を振り返りながら、地域全体で患者を支えるために薬局に期待することや、京都大学医学部附属病院薬剤部における地域連携に関する取り組みなどについてご講演いただく。
次に「地域連携による薬物療法、医薬品提供体制への貢献」と題して、よりどころ薬局の寺井竜平氏から、中山間地域において面薬局として開局した実例をもとに、地域連携の推進やその連携がもたらした薬物治療の事例、そこから見えてくる薬局・薬剤師の地域における役割などについてご講演いただく。
続いて「がん治療における医療機関との連携を生かした患者サポート」と題して、長野県薬剤師会会営薬局の村田稔弥氏から、専門医療機関連携薬局として医療機関との連携・情報共有や癌患者へのサポートの実際などについてご講演いただく。
最後に「薬局製剤の活用法と面白さ」と題して、マルトク薬局の徳永大祐氏から薬局製剤の処方提案事例を通して、薬局製剤の面白さや地域住民への貢献についてご講演いただき、総合討論として、患者のための薬局ビジョン実現に向け、今後の薬剤師の役割について議論を行う。
(山田武志)