第56回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会常務理事
富永孝治
和歌山県薬剤師会学校薬剤師部会副部会長
抜井久司
3年半以上に及ぶ新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの学校では教育活動が従来通り実施できないという状況が続いた。私たち学校薬剤師は学校関係者と協力し様々な感染防止対策を行い、教育の機会の確保と質の担保を図ってきた。
5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが2類相当から5類に変更され、学校でもマスクをしない児童生徒らの笑顔が溢れている。しかし、コロナ感染者数は相変わらず増減しており、収束の気配はない。感染者が確認された場合にどう対応するかなど、コロナ類型変更後の学校の対応マニュアルを見直し、学校薬剤師として求められていることは何か改めて見直すべき時が来ている。
本分科会はコロナ類型変更後の学校薬剤師の活動について、まず文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課の鈴木貴晃氏に、類型変更に伴う「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」の改訂など、国が求めるあり方を制度面から解説していただく。続いて横浜薬科大学の田口真穂氏に、学校における感染症対策の重要性について換気を中心にお話しいただく。そして日本薬剤師会学校薬剤師部会の豊見雅文氏に、手指消毒や換気などの健康習慣の維持や学校環境衛生検査の完全実施に向けた取り組みについて講演いただく予定である。
新型コロナウイルス感染防止対策の中で培った手指消毒や換気などの健康習慣や効率的な環境衛生活動、ICTを活用した多様な教育活動など、いわば“良い習慣”はぜひ継続してほしいと考える。一方で、若年者の大麻・一般用医薬品の乱用の増加など長期にわたるコロナ禍で生じたと指摘される健康課題も多数存在する。本分科会では、学校薬剤師が担うこれからの感染防止対策とコロナ禍での健康教育支援を探る協議を行い、児童生徒等の現在と将来を守るための学校校薬剤師活動の再認識を図りたい。
(富永孝治)