第56回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会常務理事
亀井美和子
和歌山県薬剤師会常務理事
山下真経
アスリートにとって体調管理は重要であるが、近年はドーピング基準の厳しさに比例して、アンチ・ドーピングの側面からも、さらにその重要性が増している。そのような中、スポーツファーマシストがアスリートをサポートする際の知識や連携にも変化が求められている。本分科会では、アスリートをサポートするための知見を深め、スポーツファーマシストとして、また薬剤師として、アスリートをサポートする上で今何が大切なのかを考える機会としたい。
基調講演は、日本体育大学児童スポーツ教育学部教授であり日本オリンピック委員会強化スタッフでもある須永美歌子氏に登壇いただき、「スポーツ科学の知見に基づくアスリートサポート-性差を考慮したアプローチ」と題し、男性と女性の形態的・生理的な違いを踏まえて、主に女性アスリートのサポートに焦点を当てて、性差を考慮したアプローチの重要性についてご講演いただく。その後、岩手医科大学薬学部講師の杉山育美氏からは「食の知識とアンチ・ドーピング活動-アスリートにもっと寄り添うために」、アスレチックトレーナーの服部祐介氏からは「アスレチックトレーナーと薬剤師の連携」、オリンピック出場経験者でもある黒田薬局の松島美菜氏からは「海外遠征で感じた薬剤師の必要性」と題して、ご講演いただく。
JADAが認定する公認スポーツファーマシストは現在1万2000人となり、多くの薬剤師がアンチ・ドーピングの知識を既に有している。その知識をベースとして、アスリートの体調管理を身体面・心理面からも支えることで、信頼関係が一層深まることになる。ぜひ本分科会に参加いただき、ご自身の活動に役立てていただきたい。
(亀井美和子)