◆「病院の前の景色を変える」――。2015年に当時の塩崎恭久厚生労働相が門前薬局からかかりつけ薬局への移行を促す決意を語った。規制改革会議から医薬分業の是非が厳しく問われていた時だ
◆そのため厚生労働省がまとめた「患者のための薬局ビジョン」では、医薬分業の原点に立ち返り、25年までに全ての薬局を患者本位のかかりつけ薬局に再編すると宣言した
◆ところが、その後、医薬分業のメリットという名目で敷地内薬局が解禁された。その違和感を象徴的に示したのがKKR札幌医療センターが発注した敷地内薬局設置事業の入札不正妨害によるアインファーマシーズ社長の逮捕劇だった。患者の利便性は否定しないが、医薬分業の原点はどこに行ってしまったのか
◆全ての薬局がかかりつけ薬局になるまで、残された時間はあと2年。現実は札束が飛び交う敷地内薬局の獲得合戦では悲しい。変えるはずだった「病院の前の景色」は、かかりつけ薬局ではなく、敷地内薬局が幅を利かすという皮肉な結果になりそうな気がする。
医薬分業の原点
2023年09月11日 (月)
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