欧州製薬団体連合会(EFPIA)の岩屋孝彦会長は5日、都内で開催したイベントで講演し、「ドラッグ・ラグの期間は詰まってきたが、薬が入ってこないロスの問題が起きている。薬価制度改革で非常に大きな問題が出ている」と述べ、欧米で承認された医薬品が国内で開発されないドラッグ・ロス問題に危機感を示した。問題解決に向けては、日本に先行上市する際にインセンティブを導入するなどの薬事制度改革に加え、新薬開発から上市後までに関わる患者参画の促進を提言した。
岩屋氏は、欧米で承認・国内で未承認となっている143品目のうち、国内開発未着手が86品目と6割となっている実態を紹介した。原価計算方式で算定された新薬の薬価平均が日本を100とした場合に、フランスは101、英国は110、ドイツは137、米国は168と欧米に比べて低い傾向にあり、「原価計算方式を導入している薬は価値が高い薬が多いが薬価が低くなる」と指摘した。
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