戦略策定や人材確保を支援
サイネオス・ヘルス・コマーシャルは、日本での事業戦略の策定や実行、人材確保などを支援する四つの新サービスを立ち上げた。市場環境の変化の大きい中、的確な支援により「選ばれるパートナー」を目指す。
立ち上げた新サービスの概要は次の通り。
【コンサルティング事業】日本での新製品の上市を計画する際の事業戦略、製品戦略の企画から実行までを支援する。マネージングディレクターに宋云柯(ソウ・ウンカ)氏が就任。同氏はライフサイエンス分野のコンサルティング経験と知見を豊富に有している。
【デジタルソリューション事業】例えば、オムニチャネルを展開する際に必要な戦略の企画から実行までを支援する。クライアント企業内のデータ連携、インフラ整備などもデータチームがサポートする。アジア太平洋地域のデジタルソリューションバイスプレジデントに宮本茂人氏が就任し日本の開拓にも従事する。同氏はITはじめ大手のグローバル製薬会社でオムニチャネル戦略企画の責任者を務めた経験がある。
【エグゼクティブサーチ事業】新興バイオ企業が日本市場に参入を計画する際のCEOはじめ事業部長以上の人材獲得、経営体制構築を支援する。サイネオス・ヘルス傘下でタレントソリューションプロバイダーとして事業展開するTSPが手掛ける。アジア太平洋地域のエグゼクティブ・プロフェッショナル・サーチ部門長にアダム・ケネディ氏が就任。同氏は、日本市場でのトップリクルーターとして高い実績を持つ。
【エンゲージメントセンター事業】デジタルプロモーションにおいて、医療従事者とエンゲージメントを高めるためのリモート・エンゲージメントMRやMSLなどの人材提供、ターゲット医師らのリスト作成、コールセンターシステムなどプラットフォーム提供を行う。年内開始予定。
これら新サービスは、同社の臨床試験支援のクリニカル部門のサービスと統合した形で提供することを想定している。単に臨床試験デザインの試験計画、実施支援にとどまらず、対象薬剤について、どう患者のアンメットニーズに応えるか、そのためにいかなるコマーシャルを展開するのか、製品ライフサイクルをどう描き、得られた利益をいかに次の新薬開発につなげるか、このサイクルが回るよう全体像を見据えて支援をしていく。
同社は今年、10%以上の成長を目指し事業を進めている。成長の背景をコマーシャルソリューションズアジアパシフィック地域戦略ディレクターのヘ・チジュン氏は「既存のMR派遣・委受託のコアサービスへの要望は増えており、これを軸に伸長しつつ、新サービスが成長を後押している」と説明する。
今後の事業見通しについてコマーシャルサービス全般のAPAC地域を統括するシニアバイスプレジデントであるサム・ウィルソン氏は「APAC地域のコマーシャル市場は、今後も急成長していくと想定している。弊社の分析ではコマーシャルアウトソーシング市場は、2026年までに平均16%の成長を遂げると予想しており、その中で弊社は成長を図る。成長要因は、中国・東南アジア諸国などの新興国での新薬需要の増加と、それに伴うアウトソーシングの伸長。市場環境にあった柔軟性のある組織づくりやオムニチャネルの構築など、クライアントが自社リソースとノウハウだけでは実現しにくくなってきている。日本市場は、3年後も弊社にとってAPACにおいて最大市場であり、新サービスを積極的に展開していきたい」と話す。
「目指しているのはクライアントに選ばれるパートナー。課題があれば、まずサイネオス・ヘルスに相談しようと思われる存在になるべく取り組む」と抱負を語る。
サイネオス・ヘルス
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