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【2024年年頭所感】「地域医薬品提供計画」構築へ‐日薬会長

2024年01月10日 (水)

日本薬剤師会会長 山本信夫

山本信夫氏

 わが国で新型コロナウイルス感染症が確認されて以来、4年余りが経過しました。その間、地域の薬剤師・薬局は必要な体制を整備し、検査キットやOTC医薬品の提供、自宅療養者等への医薬品提供などに積極的に取り組みました。患者・国民のため、いかなる時も医薬品の供給体制は薬局・薬剤師が守る気概を、広く社会に示せたものと確信しています。

 感染症法上の分類が変更されたとはいえ、感染症を完全に制御できているとは言い難い状況が続いています。これからは国民一人ひとりが健康状態を自ら確認することが不可欠で、地域住民のセルフケア/セルフメディケーションへの積極的な支援は、これまで以上に地域の薬剤師・薬局の重要な役割となっていくものと思います。

 2024年度は医療・介護報酬に加えて、障害福祉サービス等報酬を含むトリプル改定が予定されています。物価上昇・賃金高騰と相まって、公定価格で運用される保険薬局は6年連続の薬価改定の甚大な影響もあり、厳しい経営状況が続いています。

 長引く医薬品の供給不足に対しては、本会も厚生労働省と密接に連携しつつ、問題の早期解決に向け、引き続き積極的に関わっていきます。

 一方、規制改革推進会議は「対人業務の充実」「持続可能な在宅医療提供体制」「デジタル技術の有用性を踏まえた医薬品販売」といった美名を並べ、「調剤業務の外部委託」「訪問看護ステーションへの薬剤配置」「コンビニでの医薬品販売」など、薬剤師業務を根底から揺るがす理不尽な要求を繰り返し主張しています。こうした動きに対しては、薬剤師職能の存在意義を踏まえて反対していきます。

 国が目標に掲げる地域包括ケアシステムの構築時期まで1年余りとなりました。本年4月からは各都道府県で第8次医療計画がスタートします。本会では、地域に必要な医薬品を適切に過不足なく提供することが薬局・薬剤師の基本的な使命と考えており、そうした薬剤師サービスを全ての国民が享受できる体制の整備を目指し、政策提言において「地域医薬品提供計画」の構築を提唱しています。

 超高齢社会が本格化する25年を目前に、いかに地域社会と共生していくかがこれからの薬剤師・薬局にとって重要な課題と考えています。本会では、地域への医薬品提供を担う薬剤師・薬局が責任・役割を果たせる環境づくりを進め、全国の薬剤師と共に諸課題解決に取り組んでいきます。



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