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【日本薬学会第144年会】シンポジウムの概要 脳が仲介する難治性疾患の末梢-中枢円環的病態悪化機構

2024年03月26日 (火)

オーガナイザー
 葛巻直子(星薬大)
 小山隆太(東大院薬)

 癌、慢性疼痛や慢性掻痒等の難治性の病態は、疾患の主症状だけでなく、多様な周辺症状を引き起こすケースが多いが、付随する複雑な症状の発現には過剰な求心性シグナル伝達を介した高次脳機能変容が影響する。このような高次脳機能変容は、情動や社会的認知、意思決定など様々な中枢性機能を障害するため、患者の日常生活や社会活動を著しく増悪化させる。

 このような起源となる脳や脊髄における“神経炎症”は、遠心性の自律神経応答や内分泌系応答の異常をもたらし、免疫低下や末梢臓器の機能不全を惹起させる。従って、難治性疾患に伴う脳機能障害は、難治性疾患そのものの病態観察と並行して、慎重な評価を必要とし、脳機能障害をリセットさせる取り組みが難治性病態の治療や患者のQOL向上のためのマネージメントとして標準化される必要がある。

 本シンポジウムでは、神経科学研究領域の第一線でご活躍される医師、アカデミア研究者(薬学)から最新の知見をご講演いただき、中枢神経系が仲介する難治性疾患の末梢-中枢円環的病態悪化機構について議論を深める。

 (葛巻直子



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