米食品医薬品局(FDA)は5月24日、米国初となる注意欠如多動症(ADHD)の非刺激性液体製剤であるOnyda XR(一般名クロニジン塩酸塩)を承認した。
Onyda XRは中枢に作用するα2アドレナリン作動薬であり、1日1回夜間投与の徐放性経口懸濁液製剤である。6歳以上のADHD小児患者に対し、単剤療法または承認された中枢神経刺激薬の補助療法として用いることができる。本剤の承認を与えられたTris Pharma社によると、本剤は2024年後半に薬局で入手可能になる予定。
本剤は、クロニジンに対する過敏症の既往歴のある患者には禁忌である。よく見られる(頻度5%以上かつプラセボの2倍以上の)副作用として、単剤療法では傾眠、疲労感、易刺激性、悪夢、不眠症、便秘、口渇があり、補助療法では傾眠、疲労感、食欲減退、めまいがある。
米精神・行動医学センター長のAnn Childress氏は、「ADHD患者には個々のニーズに合わせて設計された幅広い治療選択肢が必要だ。全ての薬や治療法が、全ての患者に効くわけではないからだ」と、Tris Pharma社のプレスリリースで説明。「Onyda XRは放出プロファイルをシフトさせる夜間投与が可能な唯一の液体の非刺激性ADHD治療薬であり、本剤の承認はADHDのコントロール向上のニーズを持つ患者にとって便利な選択肢となる」とコメントしている。(HealthDay News 2024年6月3日)
(参考情報)
FDA
https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/appletter/2024/217645Orig1s000ltr.pdf
Press Release – Tris Pharma
https://www.trispharma.com/tris-pharma-receives-u-s-fda-approval-for-once-daily-onyda-xr-clonidine-hydrochloride-extended-release-oral-suspension-the-first-and-only-liquid-non-stimulant-adhd-medication/