大塚製薬は、初めて創薬研究体制の説明会を行い、AIなどデジタル技術を活用して年間100億個以上の化合物をデザインできることを明らかにした。300程度の有望な化合物に絞り込み、実際の検証を行うという。世界一の性能を持ち、原子レベルまで見ることができる同社が保有するクライオ電子顕微鏡で得た蛋白質の精密な構造情報を、昨年に共同で中枢神経領域の創薬研究を始めた英シュレーディンガーのAIなどデジタル創薬技術と組み合わせ、それらを扱える研究者によって実現する。同社は、創薬研究のスピードアップとコスト削減を図ることができると説明した。
従前の方法によって年間どの程度の化合物をデザインしていたかは明かしていないが、インシリコ(コンピュータ内)を用いない低分子創薬において1プロジェクト当たりでは1000~3000程度だったという。デジタル創薬を進める大阪創薬研究センター長の周藤俊樹氏は、「様々な形のものを桁違いにいろいろな可能性を探れると考えている。このシステムを使う研究者は増えている」と話した。
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