「PVリンク」に新機能追加‐症例報告の帳票出力なども
キヤノンITソリューションズは、MRと企業内の安全性管理(PV)部門間の有害事象・副作用情報のスムーズなやりとり、管理を支援する安全性情報進捗管理システム「PVリンク・レポートマネージャー」の「バージョン3.0.3」を7月にリリースした。「ユーザーと共にシステムを育てていく」という製品コンセプトに基づきバージョンアップを定期的に行う。ユーザーの意見などを取り入れた新機能は今回も、業務のコスト抑制と品質向上に向けて実装され、実務をスムーズに行えるようにした。同社は、既存顧客に加え、新規の製薬企業、医療機器や再生医療関連企業にも訴求する。
同社は、医薬品の安全性情報管理業務支援システムとして、当局への安全性報告の電子送達支援システム「EDIマスター」と、MRとPV部門間で行われる報告業務をスムーズに行うための安全性情報進捗管理システム「PVリンク」を提供している。
「PVリンク」はPV部門側だけでなく、MR側の双方に使いやすさを意識した設計が特徴だ。2017年に発売したMR向け副作用報告支援システム「PVリンク・カメラレポート」をリリースし、MRが出先からスマートフォンなどデバイスで詳細調査票等を撮影し、PDFファイルで迅速にPV部門に報告できるようにした。
21年にリリースした「PVリンク・レポートマネージャー」では、MRからの報告からPV部門による進捗管理までに必要となる機能をパッケージ化した。
そして今年7月に「バージョン3.0.3」をリリースした。計13の機能追加は、ユーザーなどからの声を反映したもの。追加した主な新機能には次のようなものがある。
▽症例報告一覧の帳票出力(症例報告一覧を定期的PDF形式の帳票として自動生成し、安全管理責任者へメール通知)▽営業日計算(期限のある報告について休日祝日を考慮して計算し、視覚的に強調表示する)▽再調査依頼テンプレート(再調査依頼の際、テンプレートを選択してデータセットを一括して反映することが可能)▽臨床検査項目(臨床検査項目の入力とICSR出力機能を追加した)
きめ細かな改善が現場担当者の使いやすさにつながる。このような年1回のバージョンアップにより、顧客を毎年増やしてきた。急激な拡大より、1社1社に丁寧に対応していくことを基本にしているという。
さらに、ITインフラサービス「SOLTAGE(ソルテージ)」上で稼働するようにしてあることも特徴だ。クラウド基盤サービスには国際的に有名なものがあり、同社のシステムもその上でも稼働はする。しかし、同社の国産システム「ソルテージ」を使うことで、ITインフラの企画・設計・構築・運用・保守までワンストップで提供できる。同社が基盤構築しているゆえの対応の柔軟性、障害時の迅速対応が可能だ。
「PVリンク」についてビジネスソリューション営業本部の山上達也氏は、「ユーザーの声を拾い上げて、機能拡張し、今回は『バージョン3.0.3』に体現した。今後もユーザーの声に真摯に向き合い、コストと品質に貢献していきたい」と話す。
ビジネスソリューション営業本部の冨田幸佑氏は、「ソルテージ」を含めて「基盤構築からアプリケーションまでワンストップで提供できるのが私たちの強み。個々のセキュリティポリシーに合わせて柔軟にサービスを提供していく」とアピールする。
キヤノンITソリューションズ(PVLinkシリーズ)
https://www.canon-its.co.jp/solution/pharma/