第57回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会常務理事
山田武志
埼玉県薬剤師会常務理事
町田充
近年の生命科学研究の急速な進歩と少子高齢化の進展を背景に、薬剤師はチーム医療・地域医療の中で薬の専門家としてのジェネラリストであることに加え、特定の領域に精通したスペシャリスト(専門薬剤師)として、その職能を発揮することが望まれている。
そのような背景をもとに、2020年には「国民のニーズに応える薬剤師の専門性のあり方に関する調査研究」が示され、専門性を有する薬剤師の名称と認定基準の定義、第三者機関認定による専門薬剤師の認定要件についての問題が指摘され、いくつかの課題が示された。
そこで、本分科会では現行、様々な認定・専門薬剤師を取得する薬剤師が多くなっている中で、薬局薬剤師が取得できる認定・専門薬剤師を中心に、チーム医療や地域医療の中で活躍する薬剤師の概要と活動の事例を紹介しながら、今後の薬剤師の専門性のあり方について議論する。
基調講演では「薬剤師の資質向上とキャリアパス:生涯研鑽と専門性のあり方」と題して、神戸大学医学部附属病院薬剤部の矢野育子教授から、日本学術会議から発出された提言「持続可能な医療を担う薬剤師の職能と生涯研鑽」を受け、「国民のニーズに応える薬剤師の専門性のあり方に関する調査研究」を20年度から3年間にわたり実施してきた研究結果についてご紹介いただきながら、薬剤師の資質向上とキャリアパスについてご講演いただく。
次の講演ではそれぞれの専門分野で地域医療の中で活躍する3人の講師により「薬剤師の質的向上と専門性へ」と題してご講演をいただく。まず初めに講演1としてメディカプラン京都すこやか薬局の大東真理子氏に「慢性腎臓病(CKD)」を例に、次に講演2として北里大学北里研究所病院薬剤部の井上岳氏に「糖尿病」を例に、そして講演3とし帝京大学ちば総合医療センターの飯塚雄次氏に「褥瘡医療」を例に、それぞれご講演いただき、最後に総合討論として、認定・専門薬剤師のチーム医療や地域医療における貢献について議論を行いたい。
(山田武志)