来る22、23日に大阪市中央区道修町の少彦名神社の例大祭「神農祭」が斎行される。例年、神農祭の2日間は道修町沿道にくす玉飾りや献灯提灯が立てられ、露店が立ち並ぶなどビジネス街の風景も一変し、多くの参拝者で賑わいを見せるのも特徴の一つ。その道修町は江戸時代から薬問屋や製薬関連企業が軒を連ねる「薬の町」として知られ、そして、少彦名神社は日本の医薬祖神である少彦名命と共に、中国の医薬祖神である神農炎帝が祀られ、特に神農祭は大阪の「とめの祭り」として大阪市民にも親しまれている。今年は創建以来114年ぶりに社殿のお屋根修繕(葺き替え)も行われ、装いも新たとなった。神農祭の開催を前に、大阪府薬剤師会の乾英夫会長と、少彦名神社の別所賢一宮司のお二人に、神農祭にまつわるエピソードや、薬剤師を取り巻く現状のほか、来年の大阪・関西万博に関連した話題について意見を交えていただいた。
22、23日 少彦名神社で例大祭‐大阪万博へ向け文化講演会も
別所 まずは、乾先生や大阪府薬剤師会と、弊社や神農祭とのエピソードについてお聞かせください。
乾 私の祖父が、今の平野本町(現在の平野区)で漢方薬専門の薬種商販売業を営んでいました。その後、父親が薬剤師となり薬局をはじめ、店舗兼住宅でもあったことから、私自身、日常的に生薬原料をはじめとした薬に囲まれて育ってきました。毎年11月になると、薬の問屋さんが薬局に神虎笹を持ってきていたことから、少彦名神社(神農さん)の存在を知ることになりました。
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